Tonton Macoute2010/03/01 21:25

 せっかくなのでキーフでもう1枚。
イギリスのグループ「Tonton Macoute」1971年のセルフタイトルアルバム。
Springと同じく数少ないNeonレーベルからの1枚

内容はジャズ味にサイケ調味料を足した?ような古き良きブリティッシュ・ジャズロック!
これもプログレ、これぞプログレ?
ラストの2曲「Natural High Part I」「Natural High Part II」は、まさにタイトル通りです、High!
全体の纏まりとしては今ひとつな感もあるが、安心して聞ける1枚と。

Opus Avantra2010/03/04 21:31

 当ブログのタイトルに使用してるアルバムが3枚続き、せっかくなので4枚目。

イタリアの一応プログレに分類される(というか何にもジャンル分けできないものはプログレとされる場合が多い)「Opus Avantra」。1973年(日本では74年?)発表のファースト。
一般的にタイトルは「Introspezione」で通っているが、当初はセルフタイトルだったらしい。
ジャケットの女の子がチョッと怖いが、これも又プログレファンにはお馴染みのジャケットで、印象的。バンド名の「Avantra」はアヴァンギャルド+トラッドの造語と。
1曲目、いきなり弾いているのか叩いているのか分からないフリージャズ的なピアノのソロから始まり確かに前衛的。と、思っていると徐々に女性ヴォーカル(Donella Del Monaco)のソプラノ声が入ってきて、これはオペラ?クラシック?=イタリアン・トラッド? 確かに「Avantra」・・・?

 さておき、内容は先にも言ったようにジャズ&オペラ、クラシックの要素有、おまけに?ロック要素も有。更には語りも・・・?という言葉では何とも不可解な作品だが、聞いているうち不思議に引き込まれてしまう1枚。
特に6曲目「Il Pavone」、これだけ聞くと、ただのいい曲なのだが、1曲目から聞き通してここに辿り着き、ピアノのイントロが始まるとなぜか涙が出てくるのは自分だけだろうか・・・。名曲です!
で、7曲目「Ah, Douleur」、チェンバロ、バイオリン、チェロ、フルート、オペラ調ヴォーカルと、これは室内管弦楽・・・と思いきや、いきなりロックに・・・かっこいいです!

 当アルバムは、「イタリアの至宝」または「イタリアの奇跡」とかよく言われているが、それは決して誇大評価ではなく、我的にもプログレのベスト10に入る程大好き!
が「AKPITAΣ」と同じく決してお薦めはしません。

Caravan2010/03/07 04:42

 キーフのデザインを紹介したからには、デザイン・チーム「ヒプノシス」のアルバムを取り上げないわけにはいかないと、とりあえず。
が、あえて「Pink Floyd」ではなくカンタベリー系の「Caravan」1975年発表の6作目「Cunning Stunts」
Caravanと言えば、一般的に1971年「In The Land Of Gray And Pink」、1973年「For Girls Who Grow Plump In The Night」が高評価だが、それに割り込むとしたらこのアルバムと勝手に。
一癖あるアルバムばかり紹介してきて何なんだが、なんか好きなのよねぇ。
心を落ち着かせたい時、のんびりとしたい時にはうってつけの1枚。

カンタベリー系=ジャズロックのイメージがあるが、Caravanはそんな中でもポップ寄りで、当アルバムは過去アルバムの中では更にポップ。良いのか悪いのかは別として、癖がなく聞きやすい。なので珍しくプログレ好きじゃない方にもお薦めの1枚である。
もしCaravanを聞きたいと思っている方がいたら最初に当アルバムを聞いて、そこから時代を遡るっていうのはいかが?

Quiet Sun2010/03/11 23:54

 前回、カンタベリー系ということで、その絡みで1枚。
ロキシー・ミュージックのギタリストとして知る人ぞ知るフィル・マンザネラ率いる「Quiet Sun」の1975年発表唯一作「Mainstream」。
カンタベリーと言えば一番に挙げられるのは、やはりSoft Machineであるが、影響をうけつつもその格好良さは負けず劣らず。
実はこの作品、発表の数年前にデモテープを録音しながらも発表されなかったもので、その後録音し直して発表に至ったいわく付き。

内容はといえば、1曲目「Sol Caliente」。ピアノのイントロから始まりギターがうねりながら絡み「来るぞ来るぞ」と思わせぶりも、ジャーンとなった瞬間は鳥肌もん。何度聞いても格好いい!その他曲もアバンギャルド的有り、バラード調あり、ラストは歌も有りでバラエティー。全体にハズレ無しの粒揃い。
アルバム全体としての纏まりは、些かのバラツキ感はあるものの、自分的には大好きなアルバムの1枚である。

発表されなかった、当時のデモテープも聴きいてみたい・・・。

GONG2010/03/15 05:04

 メジャー所から、カンタベリー系でもう1枚。
カンタベリーなのにフランスのバンド「GONG」。
解説によってはイギリスのグループになっているものもあるが、御大グループSoft MachineのギタリストDaevid Allenが麻薬でイギリスを追放され、フランスで結成されたからフランスのバンドということになっている。メンバーには確かにフランス人も在籍しているが、中身はイギリスである。でもDaevid Allenは確かオーストラリア出身だったような・・・。

さておき、そんなバンドの大傑作の誉れ高い1975年発表の5作目、「Radio Gnome Invisible 三部作」の完結編「YOU」。
内容は前菜の1、2曲目はユーモア的な味付けで楽しく仕上げているが、3曲目からジワジワと本来の姿が見えだし、メインディッシュの4曲目「Master Builder」でドカーンと。激しい演奏のバックに浮遊感漂うシンセの音がずうっと流れていて、中近東的な雰囲気の中に宇宙的とでも言えばいいのか何とも不思議なトリップ感。
5曲目の「A Sprinkling Of Clouds」も4曲目同様に浮遊、浮遊。スペース・サイケデリック・ロックと言われる由縁、ここにありか。
3〜5曲目は聞けば聞くほど洗脳させられる感じで、Daevid Allen故に麻薬的。(失礼・・・)
で、6曲目でふと我に帰る、って感じの危ない作品に仕上がっている。
7、8曲目と10分超の大作2曲で締められ聴き応え充分。

いろんな意味で飛んでみたい人?にはお勧めの1枚である。

MAGMA2010/03/19 00:32

 前回に続きフランス絡みで1枚。
フランスと言えば、やはり?重鎮「MAGMA」か。
その1973年発表の3rdアルバム「Mekanik Destruktiw Kommandoh」、通称「.M.D.K.」。

1年位前、とある音源ショップにて盛り上がる20代らしきカップル。それも俗にいうプログレとはチョッと違う「MAGMA」の話題でだ。
聞き耳を立てるに、なにやら近々「MAGMA」が来日するので、ライブに行くとか行かないとか・・・。
確か「MAGMA」は結成40周年。その若者の年代は、ともすれば孫の世代である。でもこんな若者もいるんだ、と関心、安心。
確かに「MAGMA」は独自の世界を確立しており、今聞いても古さを感じさせずにどの世代が聞いても新鮮であるのかもしれない。
とにもかくにも「MAGMA」恐るべし、である。

で、当アルバムの内容はといえば、1曲目こそ、ゆったりと始まるが、それ以降は最後まで同じような曲調で、ひたすら走る、走る。輪をかけてソプラノ調狂気的女性コーラスが緊張感を醸し出す。
強いて言えばアバンギャルド的なビングバンド・ジャズロックとでもいったらいいのか、これぞマグマワールド。
アルバム1枚で1曲って感じで、久々に聞き通すとチョッと疲れが・・・。
でも、なかなかいいアルバムであることには間違いなし!

ZAO2010/03/22 05:07

 前回からのMAGMAつながりで1枚。
同じくフランスのグループ「ZAO」。
MAGMAを脱退したサックスのヨシコ・セファーとキーボードのフランシス・カーンを中心に結成された、その1976年発表の4作目「KAWANA」である。
当初はどう聞いてもMAGMAの延長としか思えなかったのだが、当作にはバイオリンのディディエ・ロックウッドの参加もあってか、過去3枚に比べフュージョン色が強くなっており、女性コーラスが姿を消してしまった事もありMAGMAとは路線が少し離れた気がする。
そのため少し癖が無くなりMAGMA好きの人には少し物足りないかも。

内容は1曲目「Natura」。ピアノとドラムの入りから、ベースとソプラノサックスがポリリズム的に絡んできて、その緊張感が非常に格好いい!この1曲を聞いただけで、このグループがいかにテクニシャンの集まりかが実感できる。
2曲目「Tserouf」、一見(一聴?)サックス対バイオリンの対決的掛け合い合戦の曲だが、バックのリズム隊がそれらをしっかりと纏めてなんともいい感じ。
他、バラード調の曲などあり、ラスト2曲は10分超、12分超のインプロビゼーション的な曲で締められバラエティー。

残念ながらこのアルバムを最後にサックスのヨシコさん(因みに男性です)とイケメンバイオリンのディディエさんは脱退。まぁ、やり尽くしたって感じなのかも。
もし当時のライブ映像があったら是非見てみたいものである。
とにかく自分的には傑作!の1枚である。