Fairport Convention2010/07/11 01:40

 前回グループ名を出したのでせっかっくだから。

「Fairport Convention」1969年発表の2nd、「What We Did On Our Holidays」。
Sandy Denny初参加アルバムである。
Fairport Conventionと言えば、4thのLiege & Liefが一般的に傑作として知られているが、あえてここでは2ndを。
理由は、このアルバム1曲目のタイトルが前回紹介したグループ「Fotheringay」と同名だから。どういう繋がりがあるかは定かではないが意味深げな感じがして気になる・・・。ただそれだけ(失礼)。

そんな1曲目「Fotheringay」の曲調は、翳り+切なさ十分でしんみりと。これぞSandyのフォークソングといった感じの名曲!
かと思えば2曲目の「Mr. Lacey」はコテコテのブルースロック。しかし、しゃがれ声ではなくSandyの美声で暑苦しさが軽減されている感じ。ブルースロック好きの方には違和感を感じずにはいられない1曲・・・か?
3曲目の「Book Song」はのんびりとしたフォークロックでハモリがキレイな癒される佳作。
等々、以降はフォーク基調の曲を中心に、中近東風な曲などもありバラエティな全12曲。
アルバム全体としての纏まりは今ひとつな感があり、Sandy Dennyが加入したことによりどういう方向に向かうかみんなして模索してるってところか。

Fairport Conventionを深く知りたい方にはお薦めって事で。

Fotheringay2010/07/05 23:07

 イギリスのフォークロック・グループ「Fotheringay」の1970年発表のセルフタイトル唯一作品。
イギリスのフォークロックを語る上で絶対に押さえておかなければならない伝説の女性シンガー「Sandy Denny」がFairport Conventionを一時脱退後に作ったグループである。
しかし、資金的な行き詰まりからアルバムを一枚残し解散。
その後ソロ活動、The Strawbs、Led Zeppelinにゲスト参加等々引く手数多の人気ぶり。
1973年にFairport Conventionに復帰するが翌年いろいろあり再び脱退。
後にもソロとして活動するが1978年不慮の事故により31歳の若さで突然の他界。非常に残念である。

さてアルバムの内容はといえば、これが「いい!」の一言。
Sandy Dennyのヴォーカルもさることながら、バックの演奏がFairport Convention、ソロの頃より自分好み。
決してSandy Denny中心のバックバンドではなく、Fotheringayというバンドとして全体にバランスがとれ纏まりを感じさせる。
特に1曲目の「Nothing More」の翳り感と格好良さは名曲!

フォークロック好きの方には是非お薦めの1枚!

Mellow Candle2010/04/02 23:45

「三種のなにやら」の大トリ3バンド目。
「Mellow Candle」1972年発表の唯一作「Swaddling Songs」

前半こそ静かなフォークっぽい感じで始まるが、後半は完全にロック調。
トラッドフォーク好きの人にも、プログレ好きの人両方が楽しめる1枚に仕上がっている。
しかし、このアルバム1枚で解散してしまったことはなんとも残念。

そんなアルバムで何と言っても注目は、Clodagh SimmondsとAlison Williamsのあまり例のない女性ツインヴォーカル。これが、素晴らしい!
前2グループと共に「三種の神器」「三美神」と表現されるが、この二人のヴォーカルが1として数えられるには、あまりにも失礼な程だ。
曲調からか、よくRenaissanceと比較される時が多いみたいだが、ことヴォーカルに関しては全く別物で比較対象外。しっかりとMellow Candleという世界を確立している。

ロック調の後半は、同じような曲が並ぶのがそこはご愛敬という事で飽きずに聞きましょう。
どっちにしても、いいアルバムであるのは間違いない。

Tudor Lodge2010/03/31 12:51

 せっかくなので、前回の「三種のなんやら」から2バンド目。

「Tudor Lodge」、1971年発表の唯一作セルフタイトルアルバム。
で、注目の女性ヴォーカル「Ann Steuart」。透明感があってとても優しく、いわゆるイギリスのフォーク系に良くある癖が無くて聞きやすい声である。

内容は全体にプログレ色が薄く、微妙にサイケっぽかったり、チョッと変拍子なんかも入ってくるが基本翳りのない明るいフォーク。
更には弾き語り、アルペジオと70年代フォークの雰囲気十分。スリーフィンガーの早弾きなんかの曲はフォークギターを練習する時によくここで挫折した・・・なんて懐かしがる人もいるかも。
でも当アルバム、よく目にするのはプログレッシヴロックの売り場。それはヴァーティゴレーベルから出ているから・・・なのか?

Spirogyra2010/03/29 23:58

 前回に続き女性ヴォーカル。

イギリス・トラッド・フォーク「三種の神器」or「三美神」(なんのこっちゃ?)の一つと言われてる「Spirogyra」1973年発表の3rdアルバム「Bells, Boots And Shambles」。
トラッドフォークと言われながら、しっかりとバンドしてて、プログレ色もちゃんとある。
で、皆注目するのは「三種〜」の一人ヴォーカルのバーバラ・ガスキンの美声。確かにキレイな声だが、途中々男のダミ声が入ってきて、それが余計と思ったのは自分だけじゃないと思うのだが・・・どうでしょう?

内容は全体的に翳りがありながらも、曲調にそれほど癖もなく聞きやすい1枚に仕上がっている。
特に1曲目「The Furthest Point」と13分の大作ラスト曲の「In The Western World」は秀逸。
「始めよければ終わりよし」「終わりよければ全てよし」って事で。