Animal Logic2010/08/05 06:24

 チョッと毛色を変えて、たまにはポップロックを。

アメリカの「Animal Logic」1989年発表のセルフタイトルアルバム。
なぜここに登場したかというと、ドラムはポリスのStewart Copeland、ベースはリーターン・トゥ・フォーエヴァー等でお馴染みのStanley Clarkという超豪華メンツ。有名ではないが女性シンガーソングライターDeborah Hollandがヴォーカル。おまけにイエスのSteve Howeが2曲程サポートで参加してるという話題性たっぷりのアルバムゆえ。
しかし、その話題性とは裏腹にこのアルバムは即廃盤。おまけに、2年後の2作目を最後にさっさと解散。

内容は全体に完全なポップロック。4分前後のノリのいい曲が並び、今まで紹介してきたアルバムとは一線を画す。
殆どの曲がヴォーカルのDeborah Hollandの作品だが、かといってよくある女性ヴォーカル中心のバックバンドではなく、各パートだけを気にして聞くと随所にテクが感じられ、結構楽しめる。なにせリズム系が前記の二人なので単なるバックでは決してあるはずがない。ヴォーカルを含め、全体にバランスが取れてる感じがあって聴きやすいアルバムである。
曲調は自分の好みではないが、リズム系が前記の二人ゆえシャキッ!としたい人にはお薦めの1枚である。
しかし、廃盤の為入手困難。中古で見つかっても高値必至は覚悟で。

Agitation Free2010/08/08 12:47

 本線に戻ってプログレを一枚。
ドイツ「Agitation Free」、1973年発表の2作目「2nd」。

こちらのグループ、特にテクニックがあるわけでもなく、ミディアムテンポが延々と続く曲が中心。殆どがインストでインプロっぽいギターがひたすらメロディーを刻み、ゆらゆらと浮遊してる感じ。メロディーはそれなりにあるのだが特に盛り上がるところもなく、途中中近東風なテイストなども織り交ぜつつ、アルバム一枚で1曲と思わせるような作品。
しかし、これに一度ハマったら陶酔すること間違いナシの麻薬的な独特の世界を持っている。

今日はベロンベロンに酔っぱらいたいと思ったら、酒のつまみに是非どうぞ。

Guru Guru2010/08/12 01:05

前回に引き続き、陶酔系。そしてまたもドイツ。

「Guru Guru」、1970年発表の1st「UFO」。
1968年にドラムのMani Neumeierを中心に結成。
1970年に前回紹介の「Agitation Free」のギターが、脱退後参加したアルバムである。「Agitation Free」に比べトリップ感は薄いものの、全体に前衛的で且つ少し重め。
で、共通なのは曲の善し悪し、演奏力ではなく、あくまでも雰囲気。どんな世界を作り上げているかって事。実際比べてみると、似たり寄ったりだったりもするが・・・。

余談だが「Guru Guru」はドイツ語のカエルの鳴き声らしい。日本だと「ゲロゲーロ」ってところか。
更に余談、東京タワーにMani Neumeierの蝋人形が展示されてるらしい。果たして今まで何人の人が気付いているのだろうか・・・。東京タワー蝋人形館、恐るべし。

Ash Ra Tempel2010/08/17 22:58

 しつこくも陶酔系プログレ。
で、更にまたまたドイツのグループ。
クラウト・ロック(ジャーマン・プログレ)で押さえてはおかなければならない「Ash Ra Tempel」。
名盤の誉れ高き1971年発表のセルフタイトル1stである。

ギターは発表時19歳のManuel Gottsching、ドラムは後にTangerine Dream、ソロで活躍するKlaus Schulze、ベースのHartmut Enke。
前記の二人は今でも根強いファンが多く、プログレ関連サイトでは必ず登場し、後のテクノ、アンビエント、トランス系にも影響を与えている程の重要人物。

内容は約20分の「Amboss」と約25分の「Traummaschine」のインプロ的2曲のみ。いや〜この曲の長さがプログレらしいっすね〜(笑
前に紹介したグループと同じく雰囲気重視。
1曲目はこの手の長い曲にありがちな始まりはジワジワと、途中よりハイテンポな攻撃的ギターで責めまくるパターン。
2曲目はミディアムテンポながら不思議な世界へと導かれていく感じで、いかにも陶酔系。

曲調、テクニックは無視して現実逃避をしたい方にはお薦めの危ない一枚。
実際、メンバーはその手の危ない人たちと関係があったとか・・・は余談。

Curved Air2010/08/25 16:15

 久しぶりに一般的にいうプログレ?を紹介。

イギリスの「Curved Air」、1973年発表の4作目「Air Cut」。
以前紹介した「Renaissance」と比較されることも多い女性ヴォーカルグループである。

前作からヴォーカルの「Sonja Kristina」以外メンバーを総入れ替え。いわば第二期Curved Airの一作目である。注目は、後に「U.K.」等で活躍するヴァイオリン、キーボードの「Eddie Jobson」。当時、弱冠18歳。前メンバーのヴァイオリン「Darryl Way」と比較しても、決して引けを取らない存在感は恐るべし「少年」である。

内容は1曲目「The Purple Speed Queen」。いかにもアルバムの1曲目といった感じで、ジャーン!って感じのインパクトのあるポップロック。キーボードソロの後にギターソロとありがちな曲構成だが、誰にでも楽しめる曲としては名曲か。
で、このアルバムの一番お薦め曲は10分半の大作3曲目「Metamorphosis」。ピアノの前奏から入り少しクラシカルな感じも、途中変拍子を絡め静かに盛り上がっていくところはプログレファンにはたまらない1曲。「Eddie Jobson」の力量を伺える名曲である。

第一期と好みが分かれるところだが、プログレの入門編としてはこちらがお薦め。