Premiata Forneria Marconi2010/12/03 23:28

 そう言えば、イタリアはアヴァン系プログレのアルバムばかり紹介してた・・・。
って事で、今回はど真ん中「Premiata Forneria Marconi」周知の通称「PFM」。
デビューから約40年、いまだ現役の重鎮バンド。
その1972年発表のPFM名義の1st「Storia Di Un Minuto」。(実際はQuelli名義でのデビューが最初らしい)

程良い重さと、程良い明るさ、更には芸術性を持ち合わせた超絶技巧。
1stにして、どこをとっても文句の付けようの無いこのクオリティーの高さは圧巻の一言。

内容は1曲「Introduzione」。フェードインしながらジワジワと音数が増え、
2曲目「Impressioni Di Settembre」で徐々に盛り上がり、
3曲目「E' Festa」で曲調が一変、ドカーン!今でもライブで必ず演奏される名曲である。
4曲目「Dove...Quando...(Parte I)」は、また一変してアコースティックな叙情的雰囲気に。
5曲目「Dove...Quando...(Parte II)」再び盛り上がり。
6曲目「La Carrozza Di Hans」いきなり語りから入り、静かに進んで行くも、後半またも盛り上がり。
そしてラスト7曲目「Grazie Davvero」入りは静かに、も徐々に壮大な展開に。そしてラストは静か〜に。

転調、変拍子がこれだけ自然に感じられるアルバムは無いと思う程心地よく、1枚を通して聴いた後にまるで物語を語られた様な気に陥る傑作。

これからイタリアン・プログレを聴こうと思ってる方は、先ずはこちらの大お薦めアルバムから。

Bella Band2010/12/11 00:03

 前回に続き、イタリアをもう1枚。

「Bella Band」1978年発表のセルフタイトルアルバムで唯一作。
全曲インストロメンタルの技巧派ジャズロックである。
メンバーはギター、ベース、ドラム、キーボード、更にはサックス・クラリネットの5人で、ジャケットのようなお歳を召した方ではなく、実際は若者らしい。

内容はといえば、これがまたかっこいいの一言!
1曲目の「Faidadiesis」でとりあえず心を鷲づかみにされる。特にギターとキーボードのソロパートは、これでもかと言わんばかりに弾きまくり。
2曲目「Promenade」は少しゆっくり目にメロディアスな約11分。
3曲目「Porotopostrippa Sul Pero」はインプロ的なややフュージョン寄りの1曲。
4曲目「Cipresso Violento」はスローな味わい深い曲に。
更に5曲目はCDのみのボーナス「Mattutina」。
通常ボーナス曲は、その通り大抵は「おまけ的内容」が殆どなのだが、この曲は違った。自分的には1曲目の次に好きな曲が、このボーナス曲で、レコード好きな方には何とも気の毒な曲である。

ボーナストラックを含んでも37分弱と非常に短く、もう少し長く聴きたいと思うのは、我だけではないはず。未発表音源発掘を期待。
Mahavishnu Orchestra、Return To Forever等が好きな方にはお薦めの1枚って事で。

Barclay James Harvest2010/12/30 01:36

 今年最後の一枚は、超メジャーからイギリスの「Barclay James Harvest」、1971年発表の三作目「And Other Short Stories」。
メンバーはギターのJohn Lees、ベースのLes Holroyd、ドラムのMel Pritchard、キーボードのStuart Wolstenholmeの4人。
ドラム以外の3人はヴォーカルも担当し、そのハーモニーが何とも美しい。
オーケストラをバックにした叙情的なシンフォ・フォークロックで、俗にいうプログレとは少し違うが、いかにもイギリスって感じの何とも癒される一枚で、これがなかなか。

1曲目「Medicine Man」、のっけから売りのオーケストラを前面に叙情的で壮大な雰囲気の佳作。もう少し曲が長くてもいいような気が。
2曲目「Someone There You Know」、バラードっぽく始まるのだがすぐに盛り上がり、途中変拍子を織り交ぜながら、更には美しいヴォーカルとハーモニー、ボリュームペダルで味付けされたギターが何ともいえない雰囲気を醸し出す。傑作の曲だと思うのだが、1曲目同様に短い。この雰囲気で10分くらい引っ張ってもらいたかった・・・、と思うのは自分だけだろうか。
3曲目「Harry's Song」、リズムは単調ながらも注目はベースライン。これが結構かっこいい!
4曲目「Ursula(The Swansea Song )」、アコギから始まる完全なフォークロック。メジャーからマイナーに転調するあたりはありがちか。
5曲目「Little Lapwing」、一聴アメリカのカントリーっぽい曲だが、後半少し引っ張るあたりは、それなりの主張なのかと。
等と最後の9曲目 「After The Day」、テーマは核戦争。これまでとは一転、非常に重い1曲である。爆弾が爆発して終わる衝撃的なエンディング。それまでの癒しが壊されるある意味、名曲?である。

全体的にポップであるが、聞き流してもよし、聞き入るもよしの我的に名盤の一枚!