Mellow Candle2010/04/02 23:45

「三種のなにやら」の大トリ3バンド目。
「Mellow Candle」1972年発表の唯一作「Swaddling Songs」

前半こそ静かなフォークっぽい感じで始まるが、後半は完全にロック調。
トラッドフォーク好きの人にも、プログレ好きの人両方が楽しめる1枚に仕上がっている。
しかし、このアルバム1枚で解散してしまったことはなんとも残念。

そんなアルバムで何と言っても注目は、Clodagh SimmondsとAlison Williamsのあまり例のない女性ツインヴォーカル。これが、素晴らしい!
前2グループと共に「三種の神器」「三美神」と表現されるが、この二人のヴォーカルが1として数えられるには、あまりにも失礼な程だ。
曲調からか、よくRenaissanceと比較される時が多いみたいだが、ことヴォーカルに関しては全く別物で比較対象外。しっかりとMellow Candleという世界を確立している。

ロック調の後半は、同じような曲が並ぶのがそこはご愛敬という事で飽きずに聞きましょう。
どっちにしても、いいアルバムであるのは間違いない。

Pink Floyd2010/04/04 05:09

 満を持して、でもないがここらで三大プログレバンドを。

先ずは「Pink Floyd」の代表作、1973年発表「Dark Side Of The Moon」邦題「狂気」。
まぁ、曲の説明などは今さら言うまでもないだろうから、チョッとしたネタを。

当アルバム、世界中で4,000万枚のセールスを記録したことになっていて、発売以来15年間もビルボードTOP200以内に入っていた怪物アルバム。
1973年の全米年間1位、当然地元イギリスでも1位かと思いきや2位。
因みにその年の全英年間1位はエルトン・ジョンの「Don't Shoot Me I'm Only The Piano Player」だったそうな。
その後に発表した「Wish You Were Here」「The Wall」など5枚のアルバムが全米1位になっており、ある意味意外。が、1970年発表の「Atom Heart Mother」なんかは全英で1位にも関わらず、全米では55位となんだか。この頃はまだアメリカまで浸透してなかったんだろうなぁ・・・。
今でこそプログレといえばマニアックなジャンルとされているが、この頃は売り上げ枚数で分かるようにメジャーなジャンルだった。
ビートルズが解散した後に、みんな何か新しいものを求めていたのかもね。

当アルバムの自分的正しい聴き方として、何か疲れたな〜と思ったら風呂上がりにこれを聞く。すると不思議に心が落ち着いて自然に眠りに誘われる。できれば「Us And Them」あたりで夢の中へ入っていくのが理想・・・?すると、残りの3曲はいつまでたっても聴けないのでした、とさ。

Yes2010/04/06 23:09

 三大プログレバンド、お次は「Yes」。

シンフォニック系プログレの、もはや神的存在として君臨。曲のオリジナリティ、構成、演奏テクニック更にはヴォーカルハーモニーに至るまで全てにおいて最高峰。

そんなグループの代表作の一つ、1972年発表の4枚目「Fragile」邦題「こわれもの」。
3作目の「The Yes Album」と5作目の「Close To The Edge」と合わせた3枚がYesの傑作と言われており、とあるサイトでは20枚近くアルバムが出ているのにも関わらず「この3枚だけあればいい」と言ってるほど。でも、なんか分かる・・・。

アルバム全体の内容としては、1曲目「Roundabout」とラスト9曲目「Heart Of The Sunrise」のYesを語る上で絶対に外せないパウンドで4曲目「South Side Of The Sky」の肉を挟み、その間に1〜3分のピクルスやらレタスやら・・・って感じのハンバーガーの様な1枚である・・・?
いずれにせよ傑作アルバムで、プログレ入門編としては外せない。
因みにロジャー・ディーンのYesジャケットデザイン1作目。

King Crimson2010/04/08 03:25

 三大プログレバンド、大トリは待ってましたの「King Crimson」

1974年発表の7枚目「Red」。
いまだ進化し続ける怪物グループ、プログレのカリスマ。
常に入れ替わり立ち替わりのメンバーチェンジを繰り返し、現在に至るも、まぁRobert FrippがいればKing Crimson、って事で。

当アルバムは70年代最後の作品で、それまで積み上げてきた物を削ぎ落とし削ぎ落としギリギリの状態で作り上げたような感じ。残念ながらこの後一時解散をするが、アルバム制作中には既に解散が決まっていた、なんて噂も。
そんないわく付きのアルバムだが、内容的には大傑作!! 素晴らしい!の一言。今さら曲紹介などする必要もないのだが、ラスト曲「Starless」の正しい聴き方?だけ紹介。
「まず、部屋の明かりを消す」「一切の物音を排除、もしくはヘッドフォンをする」「正座をする」「目を閉じる」「曲が終わった後、明かりを点けずに1分間余韻に浸る」分かる人には分かるかと・・・(笑

何はともあれ、我的には文句なしのプログレNo.1アルバムである。

Fermata2010/04/10 08:11

 チョッと変わったところを紹介。
チェコスロバキアの技巧派ジャズ・ロック・グループ「Fermata」
1976年発表の2枚目「Piesen Z Hol」

1曲目「Piesen Z Ho」、アルバムタイトル曲ってことは、このアルバムイチ押しの曲である。
11分を超える大作で、これぞジャズ・ロック的なかっこいい曲なのだが、ベースのソロから始まり、スピード感のあるドラムが絡み、でギターが入ってくる・・・これって・・・?
Brand Xが同年に発表した「Unorthodox Behaviour」の1曲目「Nuclear Burn」・・・似てる・・・。同年発表なので偶然なのか、どちらかがパクッたかは知る由もないが、テクニック的にはBrand Xの方がチョッと上かな。しかし、勢いという点では勝ってる感がある。
全体的にはコーラス以外のヴォーカルも無く、ほぼ全曲インスト。でもって、曲もなかなかの粒揃いでかっこいい1枚に仕上がってる。

1976年といえば、チェコスロバキアは社会主義の真っ最中。それでもこういうアルバムが出て来るのだから、結構自由はあったんだろうね。更には国から金が出てたなんて言ったらもっと面白いけど。でも、外貨稼ぎにはなるから・・・。
全然、違う話になってしまいました。スミマセン。

Brand X2010/04/12 22:42

 前回グループ名を出したので、せっかくだから紹介。

イギリスの超絶技巧派集団「Brand X」の1976年発表の1st「Unorthodox Behaviour」。

ギターのJohn GoodsallとベースのPercy Jonesを中心に、ジェネシスに在籍中のドラムスPhil Collins等が参加。Goodsall曰く、コンセプトは「ヘヴィ・プログレッシヴ・ジャズロック・フュージョン」って長すぎ。しかし、当アルバムを聴くと、その「ヘヴィ・プログレ・・・」まぁ、確かに。
 ピーター・ガブリエル脱退後のジェネシスの話題作りの為か、Phil Collinsのソロプロジェクトと言われた時もあったが、実際にはそうではないらしい。
当アルバムでは純粋にドラマーとして参加したと思いたいのだが、後のアルバムでPhil Collinsがチョッと歌ったりした事も・・・。はっきり言って、このグループで歌ってはいけません!歌はジェネシスorソロだけにしておきましょう(笑
2年後、ジェネシスに専念したいと言うことでCollinsは脱退。程なくジェネシスのヴォーカリストとしてブレイクするのだが、自分的にはドラマーCollinsの方が断然好きである。

さておき、デビューアルバムの1曲目といえばグループの挨拶曲。それが前回似てる曲として紹介した「Nuclear Burn」。
で、その挨拶はと言えばテクニックを前面に出し「どうだ!」と言わんばかり。ギターとドラムが少しせわしなく感じられるが、それをフレットレスベース独特のうねりとキーボードでほどよく緩和され、初めて聞く人は度胆を抜かれる事、間違いなし!
一回通して聴いた後、各パートごとに数回聴き返すとそのテクニックのすごさが実感できるかと。

アルバムは、全曲インストロメンタル。カンタベリー系、フュージョンとはひと味違うジャズロックとして超お薦めの1枚である。

HELDON2010/04/14 23:16

 ガラッと毛色は変わり、フランスのグループ「HELDON」。
1979年発表、7作目のラストアルバム「Stand By」。

クリムゾンのロバート・フリップの影響を受けたとされるギターのRichard Pinhasを中心とするグループで、このラストアルバムが傑作とされている。
CDだと一応10曲に分かれているが、実質は3曲。LPの場合、A面2曲、B面の8曲は全て繋がっていて約22分が切れ目ナシで1曲扱い。いや〜プログレらしい。

一部ではクリムゾン・フォロワーとして紹介される場合が多いがそれ程でもなく、凶暴な部分は確かに似てるような気もするが、メロディアスな部分は全く感じられず、リズム系も結構単調で、テクニック的にも音楽性もクリムゾンとは別物かと。
全体的に、「暗い」「重い」「おどろおどろ」のトランス系という非常にお薦めしにくい1枚となっている。
でも、自分的には結構好き。