Soft Machine2010/07/19 05:37

 たまには超有名どころを。

以前、GONGを紹介した時にチラッと触れたイギリスのカンタベリー・ジャズロックの重鎮「Soft Machine」。
といえばやはり1970年発表の3作目「THIRD」。
ギターのDaevid Allenが脱退後のアルバム。よってギターは無くメロディーはサックスとキーボードで受け持つのだが、これがこのアルバムを良い方向にもって行ったのかもしれない。
正直、一番最初に聞いた時のとっつきにくさと来たらこの上なく、傑作という一般的批評を理解するまで少し時間がかかった。
なにせLPの時代、2枚組で18分〜19分の曲が4曲、って事は片面1曲ずつ。これを通して聴くには当初非常に体力が必要で、途中でくじけたことも2度、3度。

そんなアルバムの内容は、
1曲目「Facelift」。その頭約6分が前衛的というかフリージャズというか曲ではない電子音がうねってるだけ。しかし、その後ジワジワとメロディーが流れ始め、これがかっこいい!この約6分を飛ばさずに聞けるかどうかで、その後の感動を迎えられるかが決まる気が。
この1曲目をクリアできれば残りの3曲は非常に楽しく聴けること間違いなし。
2曲目「Slightly All The Time」。ややスローな入りから、やはり6分を過ぎたあたりから急展開。同じフレーズの繰り返しを効果的に使い、半ばトランス状態まで持って行ってしまう程の力強さ。しかし、その一歩手前で再びスローになり我に返してくれる。作曲はオルガンのMike Ratledge。
3曲目「Moon In June」。歌ものなのだが、やっぱり普通じゃない。いま日本で流れている音楽に慣れている人は唄が下手なことも相俟って悪酔いする事間違いなし。ドラムのRobert Wyattらしいユーモアたっぷりの曲である。後半のHugh Hopperの歪んだベースが、前半とは全く別の曲に思える程かっこいい。
4曲目「Out-Bloody-Rageous」、自分の中ではカンタベリー史に燦然と輝く名曲中の名曲かと。1曲目同様、オルガンがホニャホニャと静か〜に入ってきて「来るぞ、来るぞ・・・来た−!」とその瞬間鳥肌。後はその鳥肌を保ちつつ中盤まで走る。途中ブレークを入れつつ、また走り出し最後はスローダウン。曲が終わった後、余韻に浸りながら5分間身動きとれず。作曲は2曲目と同じくMike Ratledge。この人の曲はいいっすね。

噛めば噛む程味が出るスルメ的アルバム、我的ベスト10に入ること間違いなしの傑作である。