Ash Ra Tempel2010/08/17 22:58

 しつこくも陶酔系プログレ。
で、更にまたまたドイツのグループ。
クラウト・ロック(ジャーマン・プログレ)で押さえてはおかなければならない「Ash Ra Tempel」。
名盤の誉れ高き1971年発表のセルフタイトル1stである。

ギターは発表時19歳のManuel Gottsching、ドラムは後にTangerine Dream、ソロで活躍するKlaus Schulze、ベースのHartmut Enke。
前記の二人は今でも根強いファンが多く、プログレ関連サイトでは必ず登場し、後のテクノ、アンビエント、トランス系にも影響を与えている程の重要人物。

内容は約20分の「Amboss」と約25分の「Traummaschine」のインプロ的2曲のみ。いや〜この曲の長さがプログレらしいっすね〜(笑
前に紹介したグループと同じく雰囲気重視。
1曲目はこの手の長い曲にありがちな始まりはジワジワと、途中よりハイテンポな攻撃的ギターで責めまくるパターン。
2曲目はミディアムテンポながら不思議な世界へと導かれていく感じで、いかにも陶酔系。

曲調、テクニックは無視して現実逃避をしたい方にはお薦めの危ない一枚。
実際、メンバーはその手の危ない人たちと関係があったとか・・・は余談。

Guru Guru2010/08/12 01:05

前回に引き続き、陶酔系。そしてまたもドイツ。

「Guru Guru」、1970年発表の1st「UFO」。
1968年にドラムのMani Neumeierを中心に結成。
1970年に前回紹介の「Agitation Free」のギターが、脱退後参加したアルバムである。「Agitation Free」に比べトリップ感は薄いものの、全体に前衛的で且つ少し重め。
で、共通なのは曲の善し悪し、演奏力ではなく、あくまでも雰囲気。どんな世界を作り上げているかって事。実際比べてみると、似たり寄ったりだったりもするが・・・。

余談だが「Guru Guru」はドイツ語のカエルの鳴き声らしい。日本だと「ゲロゲーロ」ってところか。
更に余談、東京タワーにMani Neumeierの蝋人形が展示されてるらしい。果たして今まで何人の人が気付いているのだろうか・・・。東京タワー蝋人形館、恐るべし。

Agitation Free2010/08/08 12:47

 本線に戻ってプログレを一枚。
ドイツ「Agitation Free」、1973年発表の2作目「2nd」。

こちらのグループ、特にテクニックがあるわけでもなく、ミディアムテンポが延々と続く曲が中心。殆どがインストでインプロっぽいギターがひたすらメロディーを刻み、ゆらゆらと浮遊してる感じ。メロディーはそれなりにあるのだが特に盛り上がるところもなく、途中中近東風なテイストなども織り交ぜつつ、アルバム一枚で1曲と思わせるような作品。
しかし、これに一度ハマったら陶酔すること間違いナシの麻薬的な独特の世界を持っている。

今日はベロンベロンに酔っぱらいたいと思ったら、酒のつまみに是非どうぞ。

Wallenstein2010/02/16 23:59

 前回からのドイツ絡みで1枚。
当ブログ4枚目の紹介にしてやっとプログレらしい作品の紹介。っていっても知ってる人は少ないかと。

「Wallenstein」の1971年ファーストアルバム「Blitzkrieg」。
曲数は4曲。約12分、10分、14分、8分と大作揃い。でもって殆ど歌がない。

1、「Lunetic」出だしいかにもシンフォニック的な始まりだが、徐々に同じフレーズでジワジワと攻めてくる感じは緊迫感さえ感じる。
2、「The Theme」メロディアスなギター中心の正統派ブリティッシュロック的好曲。途中チョッと叙情的な部分もあり、なかなかドラマティック。
3、「Manhatten Project」これまた前の曲とは違い、頭から変拍子かつ忙しい曲だが、さすがに最後までそうはいかないところがプログレで、だんだんダラ〜としてきて、でまただんだん盛り上げて・・・と。長い曲にありがちな構成だが飽きずに聞いていられる曲である。
4、「Audiences」、メロディアスな出だしの歌もの、と思いきやチョッと歌があるだけで、基本演奏中心。でもこのヴォーカルの声だったらもっと歌があってもいいかも。
演奏はいいんだけど、ヴォーカルの声がどうも自分は・・・ってバンド、結構あるのよね。特にイタリアのバンドによくあるカンツォーネっぽいのはチョッと苦手。

Amon Düül II2010/02/13 14:57

 女性ヴォーカル絡みでもう一枚。
チョッと有名どころでドイツの「Amon Düül II」、1970年の作品「Yeti」。
女性ヴォーカルとは言っても、あくまでも演奏中心でいわゆる歌ものではなく、前に出たり出てこなかったり。でもって、たまに男性ヴォーカルが出てきたりと。
しかしそのミステリアスで半ば不気味な声は印象的で、この曲にはこの声、またはこの声にはこんな曲、と思わせるぐらいそれらは相互関係にあり楽曲の完成度を更に高めているような気もする。
 
 内容は頭から「Soap Shop Rock」の4部からなるメドレーで約14分の大作。ヴォーカルは男女二人で、歌っているのか唸っているのか・・・。
かと思うと6曲目「Archangels Thunderbird」、女性ヴォーカルも不気味さを少し押さえて?ちゃんと歌ってる。で、曲もかっこよくいう事ナシ!
終盤はアルバムタイトルの「Yeti」が約18分、その後も6分、9分と立て続けのインプロヴィゼーション3曲で締め。
 サイケデリックであり、少しプログレっぽくもあり、浮遊感あり、エスニック感ありと曲調は様々だが全曲を通して聴く事でしっかりとまとまった1枚である事がわかる。
 
 また、ジャケットはまさしくアルバムの曲調を表現したデザインで、ジャケ買いする方にはお薦めの1枚である。