Agitation Free2010/08/08 12:47

 本線に戻ってプログレを一枚。
ドイツ「Agitation Free」、1973年発表の2作目「2nd」。

こちらのグループ、特にテクニックがあるわけでもなく、ミディアムテンポが延々と続く曲が中心。殆どがインストでインプロっぽいギターがひたすらメロディーを刻み、ゆらゆらと浮遊してる感じ。メロディーはそれなりにあるのだが特に盛り上がるところもなく、途中中近東風なテイストなども織り交ぜつつ、アルバム一枚で1曲と思わせるような作品。
しかし、これに一度ハマったら陶酔すること間違いナシの麻薬的な独特の世界を持っている。

今日はベロンベロンに酔っぱらいたいと思ったら、酒のつまみに是非どうぞ。

Aphrodite's Child2010/07/16 00:26

 プログレファンには有名な1枚を紹介。

ギリシャの「Aphrodite's Child」三作目にしてラストアルバム、1971年発表2枚組全24曲の大作「666」邦題=アフロディーテス・チャイルドの不思議な世界。
って邦題を考えた方は、一通り聴いて直感で付けたであろうタイトル。でもそのままズバリ(笑
名タイトルです。
メンバーはキーボードのVangelisを中心に4人。Vangelisといえばプログレファンなら知ってると思うが、一般的には映画「炎のランナー」、「ブレードランナー」、更には日本の「南極ランナー」・・・ではなく「南極物語」のテーマ曲を作った人と言ったほうがわかりやすいかと。

その内容はといえば映画のようなキーボード中心ではなく、しっかり?バンドしてます。
ヨハネの黙示録第13章をモチーフにしたコンセプトアルバムのようだが自分にはそんなことはさっぱり。しかし、曲としては非常に面白い。聴けば聴く程「不思議な世界」へ導かれること必至!
中でも「∞」という曲はいろんなサイトで紹介されていて、不思議というかなんとも・・・。この曲のヴォイスは女優のIrene Papasらしいのだが、女優根性を見せつけられた(聴かされた)というか、すごいの一言。決して外に音が漏れないよう、更には小さい子には絶対聞かれないように気をつけなければならない危ない名曲である。

Akritasと並び、自分的にギリシャ傑作アルバムの1枚であるが、同様に一般的には決してお薦めはしない。
もし中古で売ってても結構な価格だと思うので、内容的にも金銭的にもそれなりのリスクを背負える方は是非お手元に。

Tudor Lodge2010/03/31 12:51

 せっかくなので、前回の「三種のなんやら」から2バンド目。

「Tudor Lodge」、1971年発表の唯一作セルフタイトルアルバム。
で、注目の女性ヴォーカル「Ann Steuart」。透明感があってとても優しく、いわゆるイギリスのフォーク系に良くある癖が無くて聞きやすい声である。

内容は全体にプログレ色が薄く、微妙にサイケっぽかったり、チョッと変拍子なんかも入ってくるが基本翳りのない明るいフォーク。
更には弾き語り、アルペジオと70年代フォークの雰囲気十分。スリーフィンガーの早弾きなんかの曲はフォークギターを練習する時によくここで挫折した・・・なんて懐かしがる人もいるかも。
でも当アルバム、よく目にするのはプログレッシヴロックの売り場。それはヴァーティゴレーベルから出ているから・・・なのか?

Affinity2010/02/28 22:56

 キーフのデザイン絡みでもう1枚。
イギリスのグループ「Affinity」1970年のセルフタイトルアルバム。
「Spring」のアルバムと同様、超〜有名ジャケットである。
で、またまたいやらしい話だが、ヴァーティゴレーベルから当時発売されたアナログ版は、とあるショップで何と10万円の値がついていたとか・・・。
レコードに針を落とそうものならその度にCD1枚分のお金が飛んでいきそうなプレミア価格。当然、完全密封保管必至!というレコード本来の役割とは全く違った方向に向かってるアルバムである。

 内容は女性ヴォーカルのジャズロック。全体に聞きやすく品のいい作品といったところか。
そもそもこのバンド、ヴォーカルの「Linda Hoyle」を売り込む為のバンドだったとか。なので?この1枚だけでサッサと解散。で「Linda Hoyle」はソロ活動へと突入。
レコードではラストの曲になる7曲目の「All Along The Watch Tower」。11分40秒という長い曲だが、オルガンの音が何とも気持ちよく、間奏では半ばトランス状態に陥りそうな感じで、締めの曲として申し分なし。因みにこの曲はボブ・ディランのカヴァーで、あのジミ・ヘンドリックスもカヴァーしたことでも有名。